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  • 執筆者の写真里津子 中山

ヘリコバクター・ピロリ除菌の先駆け

更新日:2022年10月16日

1980年代後半でしょうか、ピロリ除菌の必要性が諸外国で認められるようになってきた頃、アメリカの友人の医師が私に言ってくれたのは、「日本人こそ除菌しなくてはいけないよ」という言葉でした。後になって解明されたのですが、日本人が感染するピロリ菌のタイプは欧米と少し違っていて、発がんしやすいタイプだったのです。


私たちが日本の医学界に先駆けてピロリ除菌の必要性を訴え、除菌に取り組み始めたのは1994年の秋です。その当時は、お医者さんたちにはほとんど理解されませんでした。「われわれは自己責任で治療を受けます。 何があっても先生にご迷惑をおかけすることはありませんので、どうか協力してください」とお願いしても、首を縦に振ってくださる方がいらっしゃらないような時代でした。

そんな時代に、ただ一人、以前、“がん研”にいらした坂谷先生だけが、私どもの活動に賛意を表してくださいました。その経緯は本書に収録されている講演のなかでも出てまいりますが、「この方なら」と坂谷先生を見込んで真っ先にお願いに上がり、坂谷先生の口説き落としに成功したことが、KYBの除菌治療の取り組みの端緒でした。以後、世間のお医者さんたちの冷淡さをよそに、坂谷先生とご一緒にプロトコールを考え、固い信念をもって継続してきました。われわれは今や、約3万例(2015年6月現在)の除菌成功実績を持っています。


坂谷先生は当初、抗生物質の副作用を大変恐れていらっしゃいました。慎重な方ですので、私どもが除菌をお願いしたすべての患者さんにご自宅の電話番号をお伝えになり、「何かあったらすぐに連絡してください」とおっしゃっていました。ところが、治療後の副作用を訴えてくる患者さんがいなかったのです。それで先生は、「どうしてKYBの皆さんには副作用が出ないのか?」と疑問をお持ちになったようです。それで私は、食物繊維やビタミンAのお話をさせていただきました。

坂谷先生はそれから、栄養アプローチに関心と興味を持ってくださるようになったという経緯があります。


(たゆまず、ひたむきに 生涯一学習者として 金子雅俊講演集 Ⅱ、特定非営利活動法人 分子整合栄養医学協会、2015,プロローグ、p.10-11より)

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