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  • 執筆者の写真里津子 中山

コレステロールの嘘と真

更新日:2022年10月16日

2011年7月12日、東京講演会より


私たちの身体はすべて、食べたものに含まれる栄養素によって構成されています。

(中略)

たとえば、髪の毛のほとんどがタン白質です。ですから、タン白質の摂取量が少ないと髪の毛が切れやすい、あるいは艶がなくなるというトラブルが起こります。これは非常にわかりやすい例ですね。


一方、脳というのは大変重要な臓器であることはご説明するまでもありませんが、神経伝達を担い、命令を発する、参謀本部のようなところですね。この、脳という臓器が働くためにはさまざまな要素が重要ですけれども、最も大事な栄養素の一つがコレステロールです。今まで臨床医学の世界では、お医者さんは口を開くと、「コレステロールが高いと脳梗塞や心筋梗塞になる」と、220という値の線を設けて、これを超えたらコレステロールを下げるお薬を飲まなければいけない、と。とにかくもう、「コレステロールを下げなさい」の大合唱でした。コレステロールを下げるというのが何より重要な治療だというふうに思われていました。


ところが、このことについて、日本油化学会の科学者たちは違う態度をとっていました。彼らは、20年も前からこの無茶な治療に反論していたのですが、この声は非常に小さい。やはり、お医者さんのほうが声は大きいですね。


しかし最近、高コレステロール血症という病名はなくなりました。 というのも、コレステロールが低い人は非常にうつ病になりやすいという事実が明らかになってきたのです。さらには、先ほどお話ししたようにコレステロールが脳の中の非常に需要な構成成分であることが理解されてきました。 脳内のコレステロールが不足したら、脳の神経機能に何らかの異常が起きるというのは自明の理なのです。


コレステロールの嘘と言ってもよいと思うのですが、お医者さんでも 「あなたはコレステロールが高いから、コレステロールの多いものを食べちゃ駄目。卵の黄身はコレステロールが多いから食べちゃ駄目」といった注意をされることがあります。コレステロールの薬を出されるくらいだったらまだいいのですが、「卵を食べてはいけない」は誤っています。


物事は常に原点に戻って考えるべきだと思うのですけれども、鶏はなぜ卵を産むのでしょうか。人間に食べてほしくて産みますか? たしかに、卵の黄身にコレステロールが多いというのは事実です。それは、卵の黄身から新しい生命が生まれるからです。生命を誕生させるためには相当量のコレステロールが必要だということになりませんか? それを横取りして食べて、卵は健康に悪いなんて言ったら、鶏が気を悪くしてしまうでしょうね。ですから、こういうことも本当に原点に戻ってよく考えていただくことが大事です。


たとえ1日100個の卵を1か月食べ続けても、そのことだけでコレステロール値が跳ね上がることはありません。なぜかと申しますと、コレステロールは多量に必要なものですから私たちが食べたものだけでは足りず、毎日その3~7倍量のコレステロールを肝臓で合成しているのです。


コレステロールは油脂の一種で、血液の大部分は水分です。そのため水溶性の運び屋が必要になり、肝臓ではコレステロールを運ぶためにリポタン白というタン白質を合成します。 リポは油脂です。食物から摂取する7倍もの量のコレステロールを肝臓で合成し、それをリポタン白にのせて血液中に送り出し、体内のいろいろなところに供給します。肝臓はそういう作業をしているのです。


ということは、コレステロールが低いというのはどういうことでしょうか? タン白質をはじめとする栄養素の欠損が明らかであるということになりますでしょうし、もしかしたら肝機能に何らかの障害があるということも考えなければなりませんね。ですからコレステロールは、単に、高いといけない、低ければいいという言い方は明らかに間違いということになると思います。


(金子雅俊講演集Ⅰ たゆまず、ひたむきに生涯一学習者として、特定非営利活動法人 分子整合栄養医学協会、2015、p.76-78より)

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